パッヘルベル「カノン ニ長調」
ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel 1653-1706)による「カノンとジーグ ニ長調」の第一曲。パッヘルベルはバロック時代のドイツを代表するオルガンの大家。「カノンとジーグ」はエルフルトの教会でオルガニストを務めていた1680年頃に書かれたとされている。もともとは3つのヴァイオリンと通奏低音という編成だったが、現在では普通弦楽合奏と通奏低音によって演奏される。
カノンとは厳格な模倣によるポリフォニー(多声音楽)の形式を指す。ある声部が奏でた主題を他の声部が時差をおいて模倣していくことでポリフォニーが構成される。合唱で行われる輪唱もこの一種。
この「パッヘルベルのカノン」は通奏低音で主題(階名でいうと(上の)ド・ソ・ ラ・ミ・ファ・ド・ファ・ソ)が28回繰り返される。その上を3部のヴァイオリンが同じ旋律を時差をおいて演奏する。その巧みに構成された合奏のもたらす愉悦感は比類のないもので、ポリフォニーの持つ音響的効果が見事に活かされている。今日最も人気のあるバロック音楽の一つといっていいだろう。
記 2006.08.05
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